今月は6冊。なかなかのペースだと自分で思うことにした!
3/2
麦の海に沈む果実/恩田陸
『三月は深き紅の淵を』を読んだら次に読みたいと思っていたもの。
学園ミステリという括りで語れない気もする作品です。
理瀬も含めて生徒たちの謎というか怪しさにずっとひりひりして、終盤に次々とカードがめくられていくような種明かしに驚かされっぱなし。でも言及されないこともまだまだあり、これは続編でわかるのか?わからないのか?というわくわくした気持ちを残して読了。
3/11
首無の如き祟るもの/三津田信三
刀城言耶シリーズ三作目。面白い!けどこの面白さはネタバレとニアイコールな感じがするので上手に説明できないなぁ。
今回も殺人事件の真相や謎解きはとても論理的なのだけど、ラストのあれは結局……?とモヤる気持ちがあり、読書メーカーのネタバレ感想とか漁ったけど結局よくはわからない。
殺人鬼の放課後
『麦の海〜』のヨハンくんが好きすぎてスピンオフ的な「水晶の夜、翡翠の朝」が収録されているということで先に読んだ。めっちゃよかった。ヨハンくんのことますます好きになったんだけど、彼の出番ってもうないのかな。
3/20
オランダ靴の謎/エラリー・クイーン
初クイーン。1959年の翻訳だけど読みやすかったし面白かった。読者への挑戦も確かにフェアだと思う(動機面が弱いのも確かだけど)。クイーンの作風を知れたので『災厄の町』を読もうかな。いずれは『ダブル・ダブル』を読みたいので…
3/25
おやすみ、東京/吉田篤弘
吉田篤弘さんは、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』を読んで以来ぽつぽつと読んでいます。
三部作だったりするけど全部読まなくてもいい(読んだら読んだで繋がりに気付くと嬉しくなる)気安さと、ゆったり静かに、そしてさらりと流れていく物語と人と人の触れ合いが書かれていて、その読み心地がよいなと思っているのですが、本作もその空気感があり、するする〜っと読めました。
徐々に登場人物が線で結ばれて相関図が出来上がってくるのが楽しい。
3/26
天の川の舟乗り/北山猛邦
単行本発売から3年、文庫化から1か月。やっと読めました。表題作は雑誌で読んでいたのですが、あまりにも衝撃が大きすぎて、そしてその後何年も新作が書かれなくて、繰り返し読んでは自分の中で解釈を固めすぎて(煮詰めすぎて)、単行本が出てすぐに買ったにも関わらず読み返すことができませんでした。書き下ろしの後日譚である「マッシー再び」も言うまでもなく。数行読んで「ワーッ」となって本棚に突っ込んでいた。
自己解釈を固めすぎて、作者による正しい新規供給を受け入れられる自信がなかったんですよね。
3年温めてやっととなりましたが、結果としてはめちゃくちゃ面白かったしやっぱり好きだなの気持ちを再確認できました。